革ジャン⇔スーツ

毒は持っていません。毒と感じるのはあなたの感性。

世界の終わり

私はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの事をあまり知らない。若かりし20代の頃にテレビか何かで見た時、パンクでカリカリだった私は「こんなのパンクでもなんでもねえ」とTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの一切を拒否し遮断した。そして私がバンドを辞めて一般人に溶け込んでいたある日、ラジオかなにかで改めてTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの曲を聴いた。世界の終わりだった。カッコイイ曲だなぁと思ったが音源は買わなかった。そしてまた少しするとアベフトシの訃報をニュースで知った。

死んだらどうなるの?という増田を先日読んだ。死んだらどうなるの?アベフトシはあの日から止まった。生きていたら今は50過ぎであのギターはもっと変化してもっと深みが出てもっとカッコ良くなってたんだろう。アベフトシが死んでから私は少しずつ、一曲一曲THEE MICHELLE GUN ELEPHANTを聴き始めた。メジャーな曲からアルバムの曲まで。それはどれも私の神経を触るものばかりでいつも興奮するが牛丼をかき込むような聴き方はしてない。一曲一曲気が向いた時に聴いてる。

アベフトシはあの時から止まったのか。否、私の中では止まってない。アベフトシのギターが私の耳に入り、私の手に伝わり、ギターの弦を振動させ、スピーカーから音が出てくる。自分達の曲を演奏していても、たまに「アベフトシみたいな弾き方だなw」と1人でニヤついている。遅めの8ビートに16のコードストローク。あの人がいなければ、あの音を聴いていなければ私はあんな弾き方は絶対にしない。アベフトシはこの世に「あの音」を残し、あの音を聴いた人に入り込み、新しい音を作り出すのである。

 下に貼り付けてある動画のアベフトシの表情が好きだ。この時何を見てたんだろうなーなんて思いながらこの動画は何十回も見ている。ロックンローラーはみんな早死にするけど、その音を残してその音を聴いた我々に入り込んで離れない。人間は死んでも「無」にはならない。

 


世界の終わり / thee michelle gun elephant - YouTube