革ジャン⇔スーツ

毒は持っていません。毒と感じるのはあなたの感性。

弱く儚いものたち

私はただのボンクラである。どの程度ボンクラなのかと問われ答えると「お…おう…」と相手が言葉を失くす程度にはボンクラだ。しかしながらこのデブい上半身を使ってたわわなパイパイを揺らしながら華麗なスウェー及びウェービングを行い、偉そうなクソ野郎どものイヤ吉やパワハラ、陰湿な仲間外れを交わしながら生きてきた。自分でもよく普通に生きているなと感心するほどである。たわわなパイパイが相手からの皮肉や嫌味を吸収してくれているのかどうかは知らないが、筋トレをやってもやっても無くならないこのパイパイは、生きやすいように、生きるために、私に必要なんだろうと自分をごまかしそしてすでに諦めている。

そんなボンクラが、どこの仕事、どんな仕事でもいる嫌な奴や悪い奴をどう交わしていたのか。若い頃などは変に難しく考えておらず、ボンクラはボンクラらしく、理不尽な事を言われたり要求されたら「どついて辞めたろ」という姿勢で臨んでいた。なので分かりやすいイジメや嫌がらせは受けた事がない。強い者は弱い者をイジメない。弱い者が立場的により弱い者をイジメる、ということを私は知っている。だから私は変な事を言う輩には先輩だろうが上司だろうが一目で分かる不機嫌な顔をわざとしていた。

その弱い者はその私の顔を見て当たり前のように怯えて引いていく。その後すぐに普通に戻る。あれ?コイツちょっと頭おかしいんじゃない?くらいすぐにニコニコして腰の低い態度をとるのである。「あのわべって奴…なんかちょっと怖いよね…」と「そいつにだけ」思われれば成功である。強者の着ぐるみを着た弱者は、本当の強者には弱い、立場的に弱いけど怖い奴にも弱いのである。

変なパワハラをするような奴に強い奴なんて絶対にいない。大体バカで弱い。だからこちら側はちゃんと力を付けていれば負けるはずはない。知識や経験をちゃんと積んでいれば負けるはずないのだ。そして我々の仲間を増やしていれば、もう終わっても構わねえと我慢できずに机を蹴り上げて啖呵を切っても、どちらが「正」なのかは周りが判断するだろう。

気をつけなければいけないのは、ちゃんと頑張っていないと、ちゃんと結果を握りしめていないと、啖呵を切って辞めると宣っても「あ、そう。お疲れ。」という何とも恥ずかしいシチュエイションが待っている。是非ともそれだけは回避する事をお勧めする。何も出来ない、やろうとしない人間が突如辞めてやる!と叫んでも、それはただの変な奴である。

私はクソ野郎のボンクラであるが、今までの仕事は全てちゃんと頑張っていた。では何故そんなに私は仕事を頑張るのか。社畜なのかい?あんた大丈夫かい?アンタそれヤバくな〜い?などとよく言われていたが、私が頑張る理由は会社の為でも意識高いスピリッツでもない。理由は一つ、自分を守るために頑張るのである。自分の為だ。誰かに何かを突っ込ませるスキを与えず、誰かに追い込まれることなく、自分で自分を先に追い込んで全ての説明を淀みなく出来るようにしておくのである。金なんかどうでもいい。お前に文句を言われたくないとただそれだけなのだ。

怒ると怖そうなイキフン、自分の為にちゃんと頑張る、会社なんかここだけではないと、この3つを心に留めておけば、弱ッちいチンピラに負けることはない。仕事なんて何でもいい。その職場で如何に自分が長く続けられる環境を作れるか、如何に仲間を増やす事が出来るか、如何に自分が頑張れるテーマを見つけられるかだけ考えている。今の仕事が全て消えてゼロになっても問題ない。その時はまた一から、ひょっとこのお面を付けながらニコニコと愛想を振りまき、頑張るだけである。

もしそこで、よく分からないイチャモンをつけてくる輩がいれば、「お前みたいな奴、どこでもいんのな」と心の中で呟き、そしてお面の下の私の目つきが少しだけ悪くなると、ただそれだけである。

 

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