革ジャン⇔スーツ

毒は持っていません。毒と感じるのはあなたの感性。

東京の不動産屋とToLOVEる

部屋のキーを貰いに待ち合わせ、ということで、借りる部屋の近くにあるルノアールで珈琲を飲んでいた。現れたのは女性で、私は珈琲を飲んでいる途中だからせっかくだしあなたもどうぞ、と珈琲を勧めた。部屋の説明やら注意事項をふんふんと聞きながらふと気になったので「何故不動産屋に勤めてるの?」と質問したら学校を卒業してから何をして今に至ったかをポツポツと話し始めた。それを話す様子にあまり元気を感じないので今度飯でも食いましょうと誘うとニッコリと笑って連絡先を教えてくれた。

 

という話ではない。これは数年前に事務所を借りる時にあった思い出話であって今回の話に全く関係ない。今回はToLOVEったのではなくトラブったのである。昨日の話から始めると「鍵が壊れてるので直るまで違う部屋に入ってください」とメールが来ていた。何の話だこりゃと電話してみると、マンスリーマンションは電子キーだからその鍵の調子が悪いと。別の部屋でお願い出来ませんか?という話だった。まぁまぁしょうがねえかと「いつ直るのか」と質問した。相手の男は「分かりません」と答えた。

 

カチンときた。

 

しかしながら忙しい中こんな事でイライラしても仕方ないので、今日の朝その代わりの部屋を見に行ってみた。契約した部屋とはほど遠い、狭くて暗くて掃除も出来ていない部屋であった。元々借りた部屋も、とりあえず寝れてパソコン作業が出来れば良いか的な部屋なので広くはないが、この部屋はさすがに酷すぎる。すぐにまた電話をし、鍵はいつ直るんだ?と再度聞いてみた。その男は淡々と「管理会社とのやり取りがすぐには出来ない」「鍵を治すのか取り替えるのかを検証する時間が必要だ」と私に言った。淡々と。

 

カチンときた。

 

こういう時は私も淡々と相手を追い詰めるしかあるまい。「管理会社と御社の話は私に関係あるのか」「鍵交換の金の話はそちらでやるとして、まず壊れた鍵をどうするかではないのか」「すぐに対応出来ないその鍵屋はそんなに忙しいのか」「交換や修理がすぐに出来ないのなら今この部屋に付いてる正常な鍵を契約した部屋の鍵と交換すれば済む話ではないのか」「いつ直るかが分からないでは話にならないので今日中にいつまでにどうするのかを返事しなさい」淡々とドン詰めすると相手は黙った。

自分の仕事は何なのか、ということになるわけだけど、部屋を完璧な状態にしてお客さんに引き渡すのが不動産屋の仕事であって、出来ない言い訳をさも当たり前のように「しょうがないでしょ」と説明するのが仕事ではない。私がカチンときたのは「こいつは俺の方を向かずに社内を向いて仕事してるな」と感じたからである。鍵を変えると金がかかる、その金どうすんだと上司に詰められる、対応が長引くと怒られる、そんな事は私、お客さんには関係ないのだ。

全てお客さんの為に行動しろとは言わない。しかし「無理です」と淡々とお客さんに言うのは人間の仕事なんかじゃない。せめて何か方法が無いのか考えろよと私は思うのだ。私は無理なことを言ってるつもりはない。鍵を変えれば済む話なら鍵を変えたらどうなの?と言ってるだけなのである。そして先ほど電話が鳴った。結果はどうだろうか。

 

「わべさんの仰る通り、正常な部屋の鍵を業者呼んで明日付け替えます。」

 

だそうだ。あんな部屋で寝るのは御免だと今日またビジネスホテルを取った。あんな部屋とは、枕元で吸排気口がゴーゴーいってるこんな部屋である。


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 東京の生活が不安である。