革ジャン⇔スーツ

毒は持っていません。毒と感じるのはあなたの感性。

私には友人と呼べる人が数える程しかいない。お前みたいな嫌な奴に友人など出来るわけなかろうという声が聞こえるが無視する。バーカバーカ。性格の問題がかなりの割合を占めるのは百も承知である。しかしながら私は友人など要らぬと思いながらこの15年仕事をしてきたのだ。

周りを見渡すと「そんなに面倒くさそうな感じなのにそれって友人なの?」「希薄すぎない?」「行きたくないと言いながら行く飲み会って意味あんの?」みたいなのばかり目にしてきた。そして30歳手前までバンドしかしてなかった私がバンドを辞めると友人など1人もいなくなった。そこからは年配のお偉い様にしか近付かないしその年代の人達としか付き合いが無くなったのである。

友人とは何か。私は「普段全く連絡せずともふと連絡がしたくなる人」「普段全く連絡せずともふと連絡がある人」と定義している。そんなに何人もいない。しかしその友人だと呼べる人が確かに私には数人であるがいるのである。年に1度か2度、LINEもしくはイタズラ電話をする友人が。

そのうちの一人は30歳を少し過ぎた頃、仕事の同僚として出会った。第一印象は最悪であった。何だこのいけ好かないクソ野郎は、と思ったものである。そいつに私の印象を聞くと「何だこの頭空っぽのゴリラ」と思ったそうである。シバくぞ。仲良くなるには時間は掛からなかった。一緒に営業に出た軽四車で全ての窓が曇るほど2人で爆笑しながら営業をした。

1年を過ぎた頃、彼はこんなクソみたいな会社で仕事出来るかと辞めた。そこからである。1年のうち数回、長電話をして爆笑し「お前キャラ濃すぎるから年1回喋ったら腹いっぱいやわwww」「こっちのセリフじゃボケwww」と悪態をつきながら最後に「またな」と電話を切るのである。思いついた頃に「もしもしなにわ警察ですけどあんたオレオレ詐欺してまっしゃろ」などのイタズラ電話をしていた。

そして先日、アイツは何やってんだろと思っていたところ、今日東京に向かうために乗っていた地下鉄で目の前にそいつが現れた。私は気付かないそいつに肩パンした。驚いた顔をしながらそいつは私の顔をしばらく見つめて爆笑した。私も周りを気にせず同じく爆笑した。何やってんねんお前www うるさいわボケシバくぞwww 何でこの時間のこの車両のこの位置に立っとんねんwww 知るかボケお前尾行しとったんちゃうんかwww 

目的の駅までお互いの近況を教え合った。そいつは優良企業のメーカーで本部長にまで登りつめていた。私は大阪と今度東京に支店か別会社作るよと報告した。儲かってまっか?ぼちぼちでんなぁ。そうか、良かったな。お前が伸し上がるのは承知の上だ。当時の営業同期など俺達以外は行方不明だ。俺達は昔も今も、死ぬほど、狂ったように仕事してんだ。当たり前だ。

ほな、またな!と別れた。もうお腹いっぱいや。身体に気いつけや。また一年後に爆笑せなあかんしな。ちょっとぐらい休みや。お互い様やな。俺らは何目指してんのやろな。また飯でも行こか。これ読んでる人も縁があったら友達になりましょか。別に無理して会わんでももええねん。たまに連絡したなる友達で。

 

ほなさいなら。