見たいものは見えないのに見たくないものが見える
私が20歳前後くらいの頃はもちろん今のようにLINEなんて無かったし、メールなんてものが当たり前になったのって30過ぎてからじゃないかな?私が使えてなかっただけかもしれないけど、まぁそんなに頻繁に他人と関わる事が無かった気がする。携帯電話はあったけど出たくない時は無視か電源切ってたら済んでたもんね。そんな中で相手を思ったり想像したり考えたりしてたような気がしないでもない。簡単に他人と繋がることが出来るって良いような悪いような。「冗談」と「本気」の境が曖昧と言うか何と言うか。若い子のLINEと我々くらいの年代の人とのショートメールは少しニュアンスが違うような気がする。
「何で電話出ないの?」
「忙しいのよ」
「ふーん」
「どうしたの?」
「別に」
「そっちはどう?」
「相変わらずよ」
「そうか」
「大阪?」
「いや、関東」
「ふーん」
「会いたいの?」
「別に」
「ふーん」
「何か腹立つ」
「なんで?」
「別に」
「今度ご飯でも行く?」
「いつも言うだけじゃん」
「まぁね」
「忙しいの?」
「忙しいよ」
「そか」
「うん」
「じゃあね」
「近くに行ったら電話するよ」
「嘘ばっか」
「(笑)」
※ 先週のフィクションです。